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程よく壊れた シャバダバ 互助会

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11月07日 (木) 第1046夜「ジャンルは」 [長年日記]

_ 「あらら、ブラシを浸けていたのそのままでしたね。」

私は洗面器に溜められていた水を流し、ブラシを干すために物干し台へ向かった。

_ 「帰っていたんですかヘヴェさん。」

西日に輝くしっぽは縁側に座っていた

_ 「ヘヴェさんは今までどうしていたんですか?」

しっぽは拡げた新聞紙の上でこちらに背を向け座っていた。

_ 「ヘヴェさんは変わりませんね。」

私は西日に照らされるしっぽの顔を見ようと前に回り込んだ。

_  モ

 フ

 っ

 て

 み

 な

 い

 か

_ 尻尾にそんな張り紙が貼られていた。

_ 「モフりませんよ。」

私が見ている前でしっぽは少し小さくなった。

_ 「モフってほしいんですか?」

私が見ている前でしっぽは少し大きくなった。

_ 「でもモフりませんよ。」

私が見ている前でしっぽの尻尾の輝きが失われていった。

_ 日脚は日々短くなりつつも、しかし紅葉はまだまだの日々

しっぽは毎朝転がりまわるようになった。


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