私は洗面器に溜められていた水を流し、ブラシを干すために物干し台へ向かった。
西日に輝くしっぽは縁側に座っていた
しっぽは拡げた新聞紙の上でこちらに背を向け座っていた。
私は西日に照らされるしっぽの顔を見ようと前に回り込んだ。
_ モ
フ
っ
て
み
な
い
か
_ 尻尾にそんな張り紙が貼られていた。
私が見ている前でしっぽは少し小さくなった。
私が見ている前でしっぽは少し大きくなった。
私が見ている前でしっぽの尻尾の輝きが失われていった。
しっぽは毎朝転がりまわるようになった。