_ 山、それはいつだって儚いもの。
登山パーティが2名というところでもうかなりアレだが、これはmixiで呼びかけて、やる気満々で乗ったのが私だけだったという、かなりアレなナニでソレしているのでナニ。
呼びかけた人は既に四回も登山をしている兵(つわもの)なので、なんとかなるでしょ。
と考えていた。そう、その時私は完全に山を舐めていたのである。
入ったとたんに厨房から漂う油気にいきなりやられる。
改装したんだったらエアカーテンぐらい付けてくれよ。とか思いつつ、ぐったりと席について、メニューを観察。
謎の値段設定に二人でツッコミを入れつつ選定開始。
私(とりあえずパスタはやっとかなな)「じゃあ甘口キウイスパ」
相方「で、カキ氷はどれにする?」
私「えーと、とりあえずパスタを食べてから、その後で追加を…」
相方「で、カキ氷はどれにする?」
私(アンタはオニですか!)「じゃあ、マンゴースペシャル(辛口)!」
相方「オレはみそピラフ。」
相方にもやられる。
食べる前から既にやられっぱなしのオイラの前にマンゴースペシャル(辛口)がやってくる。
(お、甘酸っぱくて結構いけるかも。)
むしゃむしゃ
(カキ氷で辛くなっていた口の中を中和できていい感じ)
むしゃむしゃ
ちょいとお水を口に…
これがいけなかった。
「そうだ自然の甘味のあるキウイを食べれば、再び美味しく…」キウイは冷たくそして酸っぱかった…
「ダメ元でクリームか!」ダメで元々だった…
「ならカキ氷と食べあわせだ!」しかしパスタを巻いたフォークを持った手がどうしても止まる。
これはもう、本能が「食べちゃダメだ!」と信号を送っているとしか考えられない。なんで?さっきまで結構美味しく感じてたじゃないの!
とりあえず、二三本を口の中に放り込む…噛んでばっかりでなかなか飲み込めない!
もしかして味じゃないのか!味以外の別の何かを感じて拒否しているのか!
もしかして油か?
辛いのは好きなのでシャクシャク食べれる。
中のアイスクリームが出てきたところで、相方さんが「このアイスクリームが美味しい」といってアイスクリームを食べ始める。
いいさ、私はカキ氷さえ食べていればそれでいいんだ!パスタなんて知らない!
…
お腹がふくれてきた…マズイ状態だ!
カキ氷で満腹なんて初めての体験だ!
_ 遭難
私が悔しがっているのを見て、相方さんに「そういう反応は初めてや。」とか言われる。
しかし、カキ氷はしばらくカンベンな!
_ 玄関が開けられる音がし、私は我に返った。
_ 振り向くとそこには右向きの直立狐が佇んでいた。
私は言葉を発しながらこの人型狐を知っている事に気付いた。
_ (…知っている?誰?)
_ えも言われぬ感情がこみ上げてくる。
_ (逃げなきゃ…)
_ しかし体は動かなかった。
_ 右向きの直立狐はそこに佇んでいた…
_ 仇敵 [山のカキ氷って見た瞬間に「まるで聳え立つクソだ…」って台詞が頭の中駆け巡るんだよなぁ]
_ 鉄魔 [そうか、そうしてハートマン軍曹は殺されるわけか]