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筋金入りの 小人さん の里

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11月07日 (木) 第1046夜「ジャンルは」 [長年日記]

_ 「あらら、ブラシを浸けていたのそのままでしたね。」

私は洗面器に溜められていた水を流し、ブラシを干すために物干し台へ向かった。

_ 「帰っていたんですかヘヴェさん。」

西日に輝くしっぽは縁側に座っていた

_ 「ヘヴェさんは今までどうしていたんですか?」

しっぽは拡げた新聞紙の上でこちらに背を向け座っていた。

_ 「ヘヴェさんは変わりませんね。」

私は西日に照らされるしっぽの顔を見ようと前に回り込んだ。

_  モ

 フ

 っ

 て

 み

 な

 い

 か

_ 尻尾にそんな張り紙が貼られていた。

_ 「モフりませんよ。」

私が見ている前でしっぽは少し小さくなった。

_ 「モフってほしいんですか?」

私が見ている前でしっぽは少し大きくなった。

_ 「でもモフりませんよ。」

私が見ている前でしっぽの尻尾の輝きが失われていった。

_ 日脚は日々短くなりつつも、しかし紅葉はまだまだの日々

しっぽは毎朝転がりまわるようになった。


10月31日 (木) 第1045夜「六匹目」 [長年日記]

_ 「ヘヴェさんは今頃どこでどうしているのでしょう。」

洗面器にお湯を溜めながら私はそんな独り言をつぶやいていた。

黄土色の毛が絡まったブラシを洗面器に放り込みぼんやりと眺めていた。

_ 玄関が開けられる音がし、私は我に返った。

_ 振り向くとそこには右向きの直立狐が佇んでいた。

_ 「誰ですか?」

私は言葉を発しながらこの人型狐を知っている事に気付いた。

_ (…知っている?誰?)

_ えも言われぬ感情がこみ上げてくる。

_ (逃げなきゃ…)

_ しかし体は動かなかった。

_ 右向きの直立狐はそこに佇んでいた…


10月29日 (火) 第1044夜「サイ狐」 [長年日記]

_ 先週交流でモフリエル様を引いて

今日交流でオーロラ様を引いた

_ 来週あたり死ぬんじゃなかろうか

_ 左近と右近が9体欲しいだけなのに…


10月26日 (土) 第1043夜「アンドロメダ大星雲打法」 [長年日記]

_ あれは何日前の事だっただろうか…

もうよく憶えていないあの日。

_ 「ヘヴェさんあれがスイレンリニンサンが言ってたクラスタですよ。大きいですね。」

私は丸いしっぽを連れて見物に来ていた

_ 他の狐魂が殴るのを見ていると、しっぽで生きている丸いものはふいに私の前に出てきて上体を立ち上げた。

そして前足をワキワキしたあとこちらに目を合わせたまま動かなくなった。

_ 「殴りたいんですか?」

動かなくなったしっぽは動かなかった。

_ 「殴りたいんですね。」

動かなくなったしっぽは動かなかった。

_ 「じゃあヘヴェさんをクラスタに向けてブン投げますね。」

動かなくなったしっぽは動かなかった。

_ 「ちゃんと帰ってきてくださいね。」

動かなくなったしっぽは動かなかった。

_ その日、大きいしっぽは帰ってこなかった。

_ ――――――

_ 今日も帰らないあのケダモノ。

今も殴っているのだろうかと思い、殴っている姿を想像しようとしたがうまくいかなかった。


10月22日 (火) 第1042夜「存分にモフられよ」 [長年日記]

_ 「ヘヴェさん!へヴぇさん!見て下さい!」

私は喜び勇んで玄関に上がった。

_ 「買い物帰りに交流回したら★5が出ちゃいましたよ!」

私は大きいしっぽを探した。

_ 「すごいですねえ。本当に出るんですねえ。」

私は家の中を探し回った。

_ 「ヘヴェさーん。どこですかー。」

_ 「そこにいたんですかヘヴェさん。それにしても回転しているのは初めてですね。」

_ 狐心と秋の空。

しっぽばかりに目が行くそれは物干し竿の下で高速回転していた。


10月14日 (月) 第1041夜「以蔵の気持ち」 [長年日記]

_ 「ねぇ、ヘヴェさん。」

私はレジ袋を三角に畳みながら声をかけた。

_ 「もしヘヴェさんみたいな狐がもう一匹増えたらどうしますか?」

私が後ろを振り向くと、しっぽが大きくて丸いそれはコロコロ転がっていた。

_ 「光の方はもう五匹揃っているんですけどいい機会だし他の4匹のどれかに休んでもらうのもいいかもしれませんね。」

そう声を掛け、変わらずコロコロ転がり続けるしっぽから目を離し私はレジ袋畳みを再開した。

_ 「次は風の方が来て下さるとバランスが取れていいですよね。」

私が再び振り向くとつやつやしっぽのそれは止まっていた。

_ 「そうですね。」

私はそう一言だけつぶやいた。

_ 昼下がりの日差しが暖かく気持ちよく感じられるこの季節。

私は畳んだレジ袋と一緒に二匹目のヘヴェリウスをコンテナにしまった。


10月09日 (水) 第1040夜「リビドー」 [長年日記]

_ IPJN!IPJNだから!

_ そのしっぽに!そのしっぽに!

_ IPJNだから!


10月05日 (土) 第1039夜「あくまでプロフィール用」 [長年日記]

_

_ 「やべーぞ左近だ!」

そんな言葉が出てしまう程私は憔悴していた。

もう遭遇する事もあるまいと、そう思っていた、そう決めつけていた。

_ 己の認識の甘さと思い込みの愚かしさを後悔し、私は駆け出した。

_ (逃げ切れるものかよ)

そう思いながらも今できる事は逃げる事しか思いつかなかった。

だから走り続けた。

_ 力尽きるまで、いや力尽きても走り続ける覚悟だった。

_   ―

_ 押し寄せてくる疲労と痛みによって覚悟虚しく私は倒れ込んだ。

_ しかし倒れてはいけない。

気概さえあればまだ走ることができる。

_ 私は前に進もうと顔を上げた。

_ そこには右向きの直立ギツネが針葉樹林のように佇んでいた。

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

私はこれからどうなるのだろうか。

_ いやそれはもうどうでもいい事だ。

_ 私が私じゃなくなるのだから…


10月03日 (木) 第1038夜「こゃーんと鳴いたらこゃーんと返す」 [長年日記]

_ かかる狐ありとも知らず昨日まで過ぎし星々

今日は見よ

ねずみの抱えるウンコの照り悲しくもエーテル匂う

あわれまた病める狐魂も


09月27日 (金) 第1037夜「語呂や韻を大切にしようとするのは北原白秋の影響です」 [長年日記]

_ ヘヴェリウスーヘヴェリウスー

それはしっぽかヘヴェリウスー

サンケが来れば虚空を見ー

サンケが来れば押し黙るー

ヘヴェリウスーヘヴェリウスー

でかいしっぽのヘヴェリウスー


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